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東京港、クルーズシンポジウム開催 4県と連携し誘致を強化
東京都港湾局は23日、静岡県、和歌山県、高知県、鹿児島県とともに「国内港湾連携事業 クルーズシンポジウム in東京」を東京国際クルーズターミナルで開催した。クルーズ客船誘致事業の一環として、東京および国内各地の港湾と連携を深めることを目的としたもの。新型コロナウイルス感染症対策のため、オンラインでの配信も行われた。
東京都が今年度から実施する国内港湾連携事業について、静岡、和歌山、高知、鹿児島の4県と連携し、南太平洋クルーズを想定した誘致活動を行う。この4県は、東京発着の10~15泊のコースを想定し、大型・小型客船それぞれに適した港湾と魅力的な観光資源があること、客船誘致を積極的に行っているなどの観点から選定された。来年度以降は、北太平洋、日本周遊クルーズなど連携を広げていくことも考えている。
冒頭、東京都港湾局の戸谷泰之港湾振興担当部長は、「9月に東京国際クルーズターミナルが開業し、まずは国内クルーズの再開に向けて取り組んでいる。外国船についても国内外の状況を見ながら、再開した際にはしっかり対応できるよう態勢を整えていく。今年度から実施する国内港湾連携事業では、これまでの東京都単独での誘致活動とは違い、日本各地の魅力ある港湾の方々と手を携え、クルーズをパッケージ化して国内外にPRしていきたい」とあいさつした。
東京都、静岡県、和歌山県、高知県、鹿児島県の担当者が港湾施設の概要や客船の受け入れ再開に向けた取り組み、観光地などについてのプレゼンテーションを実施。各港の担当者とシルバーシー・クルーズの糸川雄介日本・韓国支社長、ゲンティンクルーズラインの山本有助日本オフィス代表がパネリストとなり、パネルディスカッションが行われた。ウィズコロナ時代の港湾連携と安心・安全なクルーズ客船の受け入れをテーマとし、新型コロナウイルスに対応した受け入れ態勢などについて各港がそれぞれ紹介した。
山本代表はドリームクルーズの台湾での運航再開などに触れ、「船内の感染症対策は出来る限りのことをやっていて、乗員乗客全員がPCR検査を受けているという点でも、船の上が一番安全ということになるかもしれない。日本での運航再開で大事なのは、クルーズに対するマイナスのイメージをどうやってプラスに変えていくか。ここについては船社や港など、皆で考えていかないといけない」と力強く述べた。糸川支社長は、海外での寄港地観光の実施例などを紹介し、「今後、外国船の日本発着クルーズについてのガイドラインが策定されるにあたり、寄港する予定のある港とはもっと事前に話をして調整をしていく必要がある」と述べた。
港の誘致活動について糸川支社長は、「今までは船社側に各港の観光資源の魅力などを重点的にPRしてきたと思うが、これからは安心・安全のための対策についてしっかり伝えていくことが重要になってくるだろう。市民に向けても、船社と港が連携し、クルーズがいかに安全かということをPRしていきたい」と語った。