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飛鳥Ⅱで感染症対策訓練実施

2020.10.21
日本船社

郵船クルーズは「飛鳥Ⅱ」(5万444トン)船内で21日、クルーズ中に感染症陽性者が発生したと想定した対策訓練を実施した。この訓練では日本海事協会の審査員が船内審査を行ったほか、国土交通省海事局も視察した。

同船はPCR検査ができる検査キットを搭載しており、訓練はこの検査キットにより陽性者判明したと想定して進められた。陽性者判明と同時に船内のイベントやサービスを停止し、乗客には自室に留まるよう指示が出た。船内では1時間以上かけてギャレーやその他施設の消毒がなされ、グリーンゾーンとレッドゾーンの区分けがなされた。昼食は消毒がなされたギャレーにて作られた弁当が、自室に留まる各乗客に対して配布された。弁当はクルーとの接触を避けるために、各客室のドア脇に紙袋で届けられた。

こうした訓練を審査した日本海事協会の福原智幸グループリーダーは「郵船クルーズの感染症対策マニュアルは、陽性者が発生した後すばやく船内各所を消毒してグリーンゾーン化するのが特徴。これには消毒を行う担当者の教育・訓練が重要で、それがしっかりできていた」と高く評価した。国土交通省海事局安全政策課の木内智之主席運航労務管理官も「運航はガイドラインに基づいて適切に実施されており、運航再開に期待が持てる」と述べた。郵船クルーズの管理部・久次米一聡部長代理は「ご不便をおかけする部分もあるが、お客さまに心を添わせながら安全を担保し、安心してご乗船いただきたい」と語った。

同船は下船港である横浜港に入港後の16時、陽性者の下船・搬送の訓練を横浜市港湾局と連携し実施した。横浜市港湾局の落合明正みなと賑わい振興部長はこの訓練ののちに取材に応じ、「2月~3月頃は市民からの厳しい声もあったが、現在はそうした声もなく、市民理解が進んでいると感じる。運航再開はうれしく感じているが、ここで気を緩めないようにしたい。市民や港湾の安全安心を確保しつつ、経済復興の両輪を進めていきたい」と抱負を語った。

写真左:船医による模擬検査の様子
写真中央:対策に当たるクルーたち
写真右:ギャレー内の消毒の様子

飛鳥Ⅱで感染症対策訓練実施
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