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内海フェリーが草壁航路休止、両備が全株譲受
両備グループは11日、国際両備フェリーが、高松港と香川県小豆島の草壁港を結ぶフェリーを運航する内海フェリーの全株式と経営権を引き受けたことを明らかにした。足元では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、船舶による旅客輸送需要が低迷している。内海フェリーもコロナ禍の影響などを受けて、経営が立ち行かなくなっていた。内海フェリーの高松/草壁航路は今年度末に休止し、来年度からは両備グループの国際両備フェリーが運航している高松/池田航路に集約する。
両備グループの国際両備フェリーが8月31日に、内海フェリーの全株式と経営権を譲受した。これに伴い、内海フェリーの新社長に国際両備フェリーの田邉学専務執行役員が就いた。従業員は希望者全員を継続雇用する。
内海フェリーは高松/草壁間でフェリー「ブルーライン」を一日5便運航する。しかしコロナ禍により、前年と比べ約6割の減収となっていた。加えて新造フェリーを整備したものの、旧船の売却が進まず、資金繰りが悪化。今年7月には両備グループへ正式な経営支援の依頼を行っていた。すでに高松/草壁間の一般旅客定期航路事業休止の届出を国土交通省四国運輸局に提出しており、9月11日付で受理された。来年3月をもって同航路は休止となる。
国際両備フェリーは草壁航路の休止に伴い、来年度から高松/池田航路を2便増の計10便体制とする。航路を集約し、小豆島への輸送需要に対応する。池田港と草壁港は同一町内にあり、両港間の距離は約8キロ。そのため、「若干の距離的な差はあるが、小豆島町全体としての利用客にとっても大きな立地的不便にならない。運賃もほぼ同一である、経済的負担も変わらない」(両備グループ)とする。
また内海フェリーは以前、高速艇「サン・オリーブシー」も運航していたが、船員不足などにより2017年9月から休止となっていた。小豆島町からは高速艇による高松航路の復活について要望が上がっているが、「今後の検討課題として真摯に受け止め、いかなる条件なら復活できるか、可能性について協議を続けていきたい」(同)とした。