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国内各港、客船の寄港再開向け地道に活動
新型コロナウイルスの感染拡大でクルーズ業界が大きな影響を受けているため、スマートクルーズアカデミー(主宰:大阪大学・赤井伸郎教授)は1日、オンライン会議で関係者による意見交換を行った。クルーズ客船の誘致に努めてきた港湾担当者からは、現状の厳しさとコロナ収束後の寄港再開に向けて地道な取り組みを行っていることが報告された。同会議「クルーズ振興のための情報共有サロン型ONLINEコンファレンス」では、冒頭、赤井教授が経緯を説明。3月半ばには世界で約300隻が運航停止し、ホットレイアップによる係船も行われているという。今後、クルーズ需要の減退など課題も挙げた。
客船誘致を行っている3港の担当者が現状など報告した。金沢港はクルーズターミナルを竣工するも完成式ができない状況。クルーズの復活については「日本船などラグジュアリー船がカギ」と指摘。再開後に向けて「船社と情報交換しながら受入体制を整えておきたい」と話した。京都舞鶴港は、市民から客船入港に懸念を示す問い合わせもあるなど紹介。客船寄港再開に向けて、「舞鶴のよさを知ってもらえるよう取り組みを進めている」とした。客船会社から出される安全管理情報を出して安全性を訴えていく考えで、「日本クルーズ市場を築いていきたい」と語った。広島港はコロナ収束後を見据えて、乗客がスムーズに移動できるようにすることや、埠頭の改善など検討中。瀬戸内海のよさをアピールしていき、「クルーズ再開を楽しみにしている人もいると思うので、気持ちよく迎えられるようにしたい」と述べた。商船三井客船の山口直彦社長は港湾の取り組みに期待を示し、シルバーシー・クルーズ日本支社の糸川雄介支社長は船社間で再開に向けて情報交換していることを話した。クルーズに係る官公庁、自治体、船社、旅行会社など60人強が参加した。