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2019年、寄港回数減少もラグジュアリー船は2.5倍に
国土交通省は23日、2019年通年の日本港湾へのクルーズ寄港回数が前年比2.2パーセント減の2867回になったと発表した。クルーズ船による外国人入国者数は12.2パーセント減の約215万3000人で2年連続の減少となる。旅客数の約8割を占める中国クルーズ市場への配船減が継続したことなどが影響した。発地別に見ると、上海を中心とする中国中部発の訪日クルーズ旅客が 90.4 万人(対前年比 32.4パーセント減)と大きく減少した一方、天津等中国北部発は 44.1 万人(対前年比 17.6パーセント増)、香港等中国南部発は 39.5 万人(対前年比 21.9パーセント増)、台湾発の訪日クルーズ旅客も 28.8 万人(対前年比 4.7パーセント増)といずれも2018 年より増加した。フライ&クルーズ等により、わが国発のクルーズに乗船した訪日クルーズ旅客も8.9万人(対前年比 20.3パーセント増)と増加、訪日クルーズ客の多様化が進みつつある。
港別の寄港回数を見ると、那覇港が260回となり、2018年まで4年連続で1位だった博多港を抜いて全国トップになった。博多港は229回だった。寄港数トップ10の港湾は那覇(260)、博多(229)、横浜(188)、長崎(183)、石垣(148)、平良(147)、神戸(131)、鹿児島(106)、ベラビスタマリーナ(広島)(100)、佐世保(79)。()内は寄港回数。港別の傾向を見ると、中国発クルーズ船の寄港減少により、九州各港への寄港回数が減少した。一方で中国南部発や台湾発クルーズ船の寄港が堅調だった沖縄各港が増加したほか、日本発着クルーズが増えた横浜港も好調に推移し、長崎港を抜いて3位に浮上した。
外国クルーズ船の種別で見ると、スタンダード船が減少する一方で、プレミアム船が約1.1倍、欧米富裕層を主な顧客とするラグジュアリー船が約2.5倍と大きく伸びた。国交省の髙田昌行港湾局長は、「足元ではオーバーツーリズムも問題になっている。量を追いかけるだけではなく、質も高めていく必要があるため、上質な観光ツアーを作り、地域で消費される体制を作っていきたい」としている。