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唐招提寺の東山魁夷障壁画などフェリーで上海に
2019.12.27
フェリー
阪神~上海間の国際定期フェリー「新鑑真」が今月、唐招提寺(奈良市)にある東山魁夷が描いた障壁画などの美術品を海上輸送した。運航する中日国際輪渡の日本総代理店、日中国際フェリー(大阪市)がこのほど明らかにした。通常は航空輸送している美術品をフェリーで海上輸送したのは初めて。
唐招提寺は、日本からの招きに応じた中国の僧・鑑真和上が開いた寺。鑑真和上坐像(国宝)を置く御影堂に、東山魁夷は構想から完成まで10年の歳月をかけて制作したふすまと床の間の全68面に絵を奉納した。御影堂が全面的に解体修理されることになり、普段は非公開となっている障壁画全68面を一堂に展示することが企画され、昨年は東京と京都で、今年は札幌で展示会が開催された。また今年、中華人民共和国建国70周年と中日文化交流協定締結40周年を迎えたことを記念して、上海博物館で12月17日~来年2月16日、「鑑真和上と唐招提寺東山魁夷障壁画展」(主催:日本経済新聞社など)が企画され、上海に輸送することになった。国外での展示は初めて。
障壁画など積み込み、「新鑑真」は3日に神戸港を出港、5日に上海港に入港。上海港では入港セレモニーも開催されて歓迎を受けた。16日は上海博物館でオープニング・セレモニーが開催された。輸送のもようなど展示会に関してのテレビ番組「鑑真和上と東山魁夷 上海へ!~滄海にかかる虹~」が、BSテレビ東京で1月4日午前9時~9時30分、テレビ東京では1月13日放送予定。写真左は、上海港のフェリー「新鑑真」前で開催された歓迎セレモニーのようす(写真提供=日中国際フェリー)、写真右は上海博物館で展示された東山魁夷障壁画(同)。