2代でつなぐ、飛鳥の古今東西

親⼦2代で客船・飛鳥を追い続けるVOLVOXの写真家、中村庸夫⽒・武弘⽒。
「初代・⾶⿃」、そして「⾶⿃Ⅱ」の雄姿と撮影時のエピソードを届けよう。
【2代でつなぐ、飛鳥の古今東西】 サンフランシスコの飛鳥と飛鳥II
太平洋からゴールデンゲート・ブリッジをくぐりサンフランシスコを目指す飛鳥Ⅱ(撮影=中村武弘)

サンフランシスコの飛鳥と飛鳥II

「アメリカに来たぞ!」という実感がわくのが、サンフランシスコ湾入り口に架かるゴーデンゲート・ブリッジをくぐる時だ。橋の向こうにはビル群が、その沖には脱出不可能と言われた監獄島・アルカトラズ島が浮かぶ。

 

サンフランシスコが大発展したのは19世紀中旬。人口200人ほどの村でゴールド・ラッシュが起こり、一獲千金を夢見る人々が世界中から帆船で集った。1年後の1849年には人口が数万人に増加、集まった人々は「フォーティ・ナイナーズ(49年組)」と呼ばれた。

 

ラッシュは10年ほどで終わったが、その後も人口は数十万人に増加し、1937年にはゴーデンゲート・ブリッジが竣工。これほど大きな橋が今から85年も前に造られたのだ。そしてかつて帆船が集ったピアは今も50以上並び、再開発され水族館やモールとして残る。

 

私が飛鳥を最初に撮影したのが初寄港の1997年。それから15年後、息子の武弘も同じようにヘリコプターから飛鳥Ⅱを撮影したが、景色はあまり大きく変わっていない。

 

【2代でつなぐ、飛鳥の古今東西】 サンフランシスコの飛鳥と飛鳥II
初入港で放水の歓迎を受けながらダウン・タウンのピアに接近する飛鳥(撮影=中村庸夫)

VOLVOX〈ボルボックス〉
中村庸夫・武弘親子が撮影を務める海洋写真事務所。七つの海を撮り、国内外で写真集、著書を100タイトル以上出版してきた。初代・飛鳥の就航以来、外観写真を撮り続けている。2006年に交通文化賞、2010年に海洋立国推進功労者表彰受賞。

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