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HOME > 特集INDEX > 特集「アフターコロナのクルーズ新時代に向けて」第6回:日本クルーズ客船入谷泰生社長に聞く、運航再開の条件とこれからの「新しいクルーズ」
CRUISE最新号
特集「アフターコロナのクルーズ新時代に向けて」

第6回
日本クルーズ客船入谷泰生社長に聞く、
運航再開の条件とこれからの「新しいクルーズ」

日本クルーズ客船入谷泰生社長

業界内には、クルーズの再開はまず日本船からという声が多い。実際のところどうなのか。親しみやすいクルーズに人気が高い日本船「ぱしふぃっく びいなす」を運航する日本クルーズ客船の入谷泰生代表取締役社長に、運航再開の目途や課題、そして今後のクルーズのあり方について聞いた。

運航再開の時期と条件

――まずは御社が運航されている客船「ぱしふぃっく びいなす」の現状をおうかがいできればと思います。

入谷泰生代表取締役社長(以下略) 現在は相生(※兵庫県相生市)の造船所に係留しております。最低の人数だけが船内にいるという状態ですね。

――「ぱしふぃっく びいなす」運航再開の時期と、再開に当たっての課題を教えていただけますでしょうか。

今のところは、すでに売り出している8月のクルーズから開始できればいいなという期待をしています。最初は短いクルーズから実施していくことになると思います。

運航再開に当たっては、条件がいくつかあると思います。第一に安全対策が整わないとクルーズは実施できません。そしてもうひとつは、フィリピンクルーのことです。現在彼らを本国に帰していますので、いつ日本に戻ってこられるかという問題があります。

そしてもうひとつは港湾のことです。すでにバースの予約はしておりますが、実際には各港湾の受け入れが可能かどうか、さらに詰めていかなければならない。それにはやはり安全対策の整備が必要です。

先のJOPA(日本外航客船協会)の坂本会長のインタビューにもありましたが、現在詳細なガイドラインをNK(日本海事協会)と作っていますが、それが出来上がってから改めて港湾の方々に詳細なご説明ができればと思っています。こうした諸条件が整わないと、実際の運航再開は厳しいと感じております。

さらに付け加えると、これまでの緊急事態宣言もあり、旅行会社の方々も今までのように営業ができていませんでした。6月に入ってようやく出勤されたところもあり、集客状況が正確にはつかめてないという面もあります。

感染症対策と港湾への説明

――運航に当たっての新型コロナウイルス感染対策については、どうお考えでしょうか。

すでに新日本海フェリー(※同社のグループ会社である)では、ソーシャルディスタンスの徹底や船内の消毒殺菌、マスク着用のお願いなどの対策をとっており、乗船にあたっては検温も実施しています。クルーズの再開についても、こうした対策は当然とっていきます。

――そういう意味では、御社はすでに知見を得られていますね。

そのあたりは経験もありますが、一方でクルーズの場合は規模も違いますので、どうするのが良いのか検証していきたいと思っています。

――港との連携については、どうお考えでしょうか。

港湾側で客船の受け入れに対して心配されている部分もあるかと思います。一方で、これまで各港湾では客船に対する期待感もあり、積極的に誘致もされてきました。

そうした方々に対して、また地元の方に対して、どう安全を確保するかという説明は重要です。ご心配もあるかもしれませんが、前向きにも取り組んでいただきたいなという思いがあります。

――「ぱしふぃっく びいなす」に乗船取材させていただいていると、港での温かいお見送りを何度も経験しました。

そうですね、これまで各港湾といい関係は作ってこられていますので、こちらも十分に説明をし、納得した上で受け入れていただきたいと思っております。

今後のクルーズのあり方

――コロナウイルスが御社に与えた影響と、今後のクルーズがどう変わっていくとお考えでしょうか。

これはクルーズ船社共通の問題かと思いますが、やはりお客さまの心理的な不安、戻ってきていただけるのかというのを一番に危惧しています。そのためにはやはり安全対策をしっかり実施し、それをお客さまに伝えていくことが大事だと思っています。

コロナが収束するには日数がかかりそうですが、それまではある程度余裕をもった運航をしなければならないと思っています。乗客定員いっぱいでのクルーズは考えられないし、お客さまの過ごし方については、従来とは違った発想で取り組まなければならないと思っています。ただせっかくクルーズに乗っていただく以上、従来とは違う形態でも、満足していただけるような工夫をしていきたいと思っています。

――定員は現在の何割程度をお考えでしょうか。

何割というよりも、レストランでソーシャルディスタンスが確保できるような定員が目安になると思っています。

――イベントはどうでしょうか。ぱしふぃっく びいなすは「ふれんどしっぷ」をキャッチフレーズに、船内のフレンドリーさが楽しみのひとつでもあります。

非常に難しいところですね。従来の「ふれんどしっぷ」らしい雰囲気はいかしていかなければならない。一方で安全策も実施していかねばならない。社内でも違った形の楽しみを生み出せるように鋭意検討しています。

――弊誌の読者ならびにぱしふぃっく びいなすのファンに向けて、メッセージをお願いできればと思います。

まずは十分な安全対策をしっかりとって、安全かつ快適な船内生活を楽しんでいただけるようにいたします。乗っていただいた方には思い出深いクルーズになるように努めてまいりますので、ぱしふぃっく びいなす船上でお目にかかれる日を、乗組員一同お待ちしております。

 

 

インタビュー:吉田絵里(CRUISE編集長)
2020年6月9日 オンラインにて実施

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